金属や熱で人体に刺激を与えることで、鎮痛、治癒促進を図るものです。
気のせいや迷信と言われる方もおります。
しかし、科学の進歩により、人体を様々な観点から観測できるようになりました。
・鍼による筋肉のコリの弛緩や鎮痛(脳内モルヒネの増加)
・皮膚、筋肉、内臓反射により、自律神経の活動やホルモン分泌が変化し,内臓の機能が変化する
・ヒートショックプロテインによる、細胞の修復、整備
・熱や機械刺激による血流増加
・鍼刺激による白血球増加、脳内血流量増加、
・灸刺激による赤血球増加
等々、さまざまな効果が観測されています。
やっと、科学が追い付いてきたということでしょうか。
では、鍼灸の歴史を簡単に紹介します。
記録では「灸」の方が先のようで、B.C.300年頃の「孟子」に記述があります。
中国の前漢時代(B.C.206~8)には、集大成となる医学書「黄帝内経」が編纂されたといわれています。
日本に伝わるのは聖徳太子の時代で、A.C.701年の大宝律令には「鍼博士」という官職が制定されました。
(民間レベルでは、日本書紀までさかのぼるとも…)
この頃の鍼は、今と違ってメスのような形もあり、外科手術もしていました。
また、遣唐使で留学した空海が日本各地に灸を広めましたので、今でも田舎に行くと家にお灸があったりします。
その後、漢方、灸、鍼と日本人を支え続けてきました。
しかし、明治維新後の富国強兵政策により、武器とともに戦争に必要な西洋医学が国策として普及。
その時、漢方や鍼灸といった東洋医学の火が消えそうになります。
が、大正時代には帝大を中心として各種研究が行われ、医学の一分野として研究されていきます。
そして、太平洋戦争後…GHQの指令により消滅しかけましたが、首の皮一枚で生き残りました。
対して、西洋医学は。
ルネッサンス時代(14世紀)まで「病は神からの贈り物」であり、その原因を探ることは「神への冒涜」=死刑でした。
治療は、聖地巡礼や各種聖水、信仰によってなされていました。
レオナルド・ダ・ビンチの解剖図は有名ですが、これも教会から訴えられて一時中止させられています。
その後、ヨーロッパ大陸の戦争で傷ついた兵の治療が必要となり、外科治療や感染症を中心に急激に進歩しました。
そのため、 西洋医学は傷の修復や殺菌に対して優れた効果があります。
ヨーロッパが戦争をしていたころ、鎖国の日本にも蘭方医学として情報は伝わっていました。
でも、一部学者が研究していただけで、それほど普及していません。
世界に類を見ない長期間平和が続いた徳川時代には、外傷の治療より東洋医学によるストレスや生活習慣病の治療が必用だったからでしょう。
でも、そこは日本人。
東洋医学に西洋医学も混ぜ込んで、中国とは異なるさらに進んだ医学を創造していきました。
「漢方」「医食同源」などは、日本で生まれたものです。(漢方→漢の方から来たもの。なので、中国の人が言う言葉ではない)
そして、現在の鍼灸師は、西洋医学も勉強(国家試験の8割は医師が作成してるとも)することにより、病状によっては病院での治療を勧めます。
また、試験に合格しないと受けられない国家資格者なので、一定のレベルは保障されています。
ここは、整体やクイックマッサージといった民間資格との大きな違いですので、安心して治療を受けてください。
また、鍼灸院院には「治療」だけでなく、「お休み」「リラックス」を求めて来られる方もいらっしゃいます。
ベットに横になり、鍼を打ち始めたら、すぐに寝息が聞こえてきたりします。
普段、睡眠導入剤を使用されている患者さんが、です。
ストレス解消も鍼灸院の利用方法の一つだと思いますので、吸い玉やカッサ、お灸によるリラックスから始めてみてはいかがでしょうか。
最近よく聞かれるヘッドマッサージも、鍼灸院では昔から行っております。(頭にはツボがたくさんあります)
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